HSP提唱博士の本、「ささいなことにもすぐに『動揺』してしまうあなたへ」「ひといちばい敏感な子」読了感想

私はHSPというタイプらしいです。言葉自体最近知ったのですが。

「23個中12個以上当てはまるとHSP」というリストで厳しめに見ても20個くらい当てはまりました。

他にも幼少期吃音や子どもの頃集団生活を嫌がる、環境の変化に対して身体が弱いなど典型的なHSP(HSC)の特徴だらけ。

で、あまりにも自分が当てはまるので、提唱者の本を2冊読んだのでその感想記事です。

 

エレイン・N・アーロン著

 

※HSPというのは、簡単に言うと敏感で感受性が強い人です。

HSPの定義などについてはHSPにとってWebデザイナーという職業はたぶん向いているの記事で書いてます。

本の感想を記事にするのはWebデザインブログから逸れるので迷いましたが、上記記事が予想外にたくさんの方に見ていただけているようだったので書いてみました。

良くも悪くもクセのあるタイプの本かな…

2冊読んだ結論から言うと、正直HSPという学説を信頼はできなくなりました。あ、決して否定しているのではなく曖昧にしておきたくなった感じです…ちょっと根拠が薄弱に感じるというか。

と同時に、はっきりタイプとして定義して分類しなくとも、こういう視点を親や先生が頭の片隅に入れておくのはとても大切なのではないかとも思いました。

以下否定的な意味でも肯定的な意味でも両極端な感想を持ってしまった私の感想。

(ちなみに原語で読んだらまた違う印象かもしれません。翻訳者のクセなどはわかりませんので。)

 

まず否定的・批判的な私見から

総じてHSPという概念がHSPとされる人には強烈に支持されるのに、

一般的には(少なくとも日本では)あまり浸透しないことに納得してしまいました。

 

とにかく著者(提唱者の博士)がHSPに対してやさしすぎるのです。

HSPは優秀で特別だって感じが出すぎています。

自己を必要以上に否定してきた人を助けたいと思っているのだろうから、

その目的を達成する上ではいいと思うのだけれど、

たぶんこういう書き方だとHSPが非HSPから客観的に公平に理解されにくいです

さらに極端に言うとHSPの自己肯定感の低さに取り入ろうとしている感じさえ受けます。(もちろん著者の動機は悪くなくて、HSPを助けたい・肯定したいっていう良いものなんでしょうけど、バランスを欠いているので結果的にそう受け取ることもできてしまうって意味です。)

 

本の構成・書き方もわかりやすいとは言えないです。(正直特に「ささいなことにもすぐに『動揺』してしまうあなたへ」は読みにくい)。

学説として提唱したいのか、HSPの人を対象にした自己啓発的なものなのか…

主に後者でしょうけど、

終始その両方がごちゃごちゃ展開されている感じを受けるのでそこが残念。

(ごちゃごちゃ書くことで根拠の薄弱さをうやむやにするテクニック?)

 

特に気になってしまったのが、本の中に著者自身の「勘」「第六感」みたいな表現が出てくること。

HSPは「わかってしまう」らしいので、HSPである著者も「私にはわかってしまうのだ」って寸法で理論が展開する部分があって驚きました。なんだろうその根拠、笑。

読者がHSPだけならいいけど、非HSPが読んだら懐疑的になるだけ…

もちろん取材・研究はされているけれども、

こういった疑わしく感じさせる部分の方が強くなってしまってる…

 

こうなってくると(穿った見方すぎるかもしれないけども)、

5~6人に1人っていうのも絶妙にコントロールしている感を受けてしまいます。

これ以上多いと希少価値がなくなるし、少ないと支持者が減ってしまう…

だからそうなるように境界線を設置したように感じてしまいます。

 

個人的にはHSPって「高血圧」みたいに理解したんですが、

つまり病気というより症状みたいな…

高血圧みたいに境界があいまいなものに数値○○以上ってのを定義する場合、

関連する疾病のリスクの度合いとか統計的な根拠をもとにしているわけで(たぶん)。

やっぱりこういう分類をする以上そういう根拠はもうちょっとほしいです。

(本に出てくる項目23個中12個でHSPってどういう根拠??)

追跡調査とかでも明確に結果が出るものでもないから難しいでしょうけど。

 

そもそも繊細さや感受性って、強弱以上に方向性の方が人によってバラバラに感じます。

それを高低・強弱っていう二次元で定義づけするのは困難。

だから本の中でも、特定の特徴についてぜんぜん当てはまらない子(人)もいるっていうのが多発してしまっています。

結果的に外れない占いみたいになっているところも。

まあわかりやすい切り口・説として世間に浸透させるとしたら、このまとめ方がギリギリのところなのかな。う~ん。

 

あ、子育てという面では、「ひといちばい敏感な子」はただの「甘やかし」につながりかねないなあという感じも受けました。

HSC(Cはchild)をひいきしてしまっている感が強すぎて…

 

全体を通じて…

「公平性を重視」するという定義のHSPの著者が、HSPを必要以上に持ち上げている感がやや残念でした。

 

肯定的な私見

総じて、こういう目立たないタイプの人たちがいる、決して劣っているわけではない、むしろ長所もたくさん持っているってことを明確に発信してくれたのはとても意義があると感じました。

さんざん否定的なこと書いておいてなんですが、著者は素晴らしい仕事をされていると思います。

自分や自分の子がHSP傾向が強いと思ったら読む価値は小さくない、というよりもしかしたら劇的に好転させられるかもとさえ思います。

特に「ひといちばい敏感な子」は、HSCの親御さんに対する著者の愛情と応援をとても感じたし、

会話の仕方など具体例も多くて、なるほどと思う面も多かったです。

 

私自身、繊細さを大きな大きな短所と感じてきたので、

というか学校や社会の仕組み上そう捉えざるを得ないところが多かったので、

客観的にただの性格的な特徴だったんだ…とフラットに意識し直すことができてよかったです。

 

特に親や教育の現場にいる人にとって繊細さや感受性が高い子が存在するという認識は大切だと思います。

私は3人兄弟だけれど親はずっと私だけ「変わっている」と思っていたそうだし、

吃音とか幼稚園や小学校を拒否するとか他にもいろいろ心配をかけてきたので。

もしHSPという概念を知っていれば、

私のことを「ちょっと変わった子」とか「普通から外れた子」ではなく、

「性格が繊細で感受性が強い」という原因から考えられたと思うから。

 

ただ逆に言うと本に書いてあるような意識しすぎた「特別な」接し方をされず、

普通の子と同じように(愛情をもって)ビシバシされてほんとによかったです。親や先生に感謝。

もし本に書いてある通りにやたら繊細さや感受性の高さを尊重されていたら、今頃完全に社会から逸脱していた気がします

あ、また否定的な見方に戻ってしまった。

そう、親御さんが読まれるのであれば、HSPへの客観的な理解だけ取り入れて教育法は鵜呑みにしないのがいいんじゃないでしょうか、ってことを言いたいです。

 

なんだかこれ以上書くとぐちゃぐちゃになりそうなので、このへんで。

 

最後に、Webデザイナーのブログなので関連付けをしておくと、

WebデザイナーはHSP傾向が強い人にはとても向いている職業だと思います。

Webデザイナーに転職してから、社会や会社に馴染めないなあ…心が疲れるなあ…っていうのがなくなりました。天職かもしれないと思ってやってます。

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