色彩検定3級の勉強はWebデザイン制作に役立つ?

もうすぐWeb制作現場で2年目になるというタイミングで色彩検定3級を受験してきました。

 

色の基礎も知らなかった私にとっては収穫がとても多い勉強でしたが

Webデザインをこれからやろうという方には特におすすめはしないです。

理由は主に2つ。

  1. 試験範囲のうち、そもそもWebデザインとは無関係な部分が多すぎるから
  2. Webデザインに関係する部分でも、実務に直結はしないから

 

以下それぞれざっとですがかんたんな考察です。

3級の試験範囲のなかでWebデザインに関係する割合はどの程度?

下記リンクは色彩検定協会公式HPですが、公表されている3級に求められるレベルと範囲です。

色彩検定協会/カラーコーディネーター
色彩検定とは色に関する幅広い知識や技能を問う検定試験です。1994年には文部省の認定をうけ、名称も「文部省認定ファッションコーディネート色彩能力検定」と変更して現在に至っています。

3級より項目を引用すると以下になります。

色のはたらき、光と色、色の表示、色彩心理、インテリア、色彩調和、色彩効果、色彩と生活、ファッション、慣用色名

ちょうど10項目ですね。

この中でWebデザインにほぼ関係ないものをまず削除してみます。

色のはたらき光と色、色の表示、色彩心理、インテリア、色彩調和、色彩効果、色彩と生活ファッション、慣用色名

(※色のはたらき・光と色…眼や色が見える仕組み自体の話なので理科に近い)

 

残り5項目、50%になりました。

色の表示、色彩心理、色彩調和、色彩効果、慣用色名

 

ここまでが無関係な部分をカットして残ったものですが、

さらにこの中でWebデザイナーとして現場で使える(かもしれない)範囲に絞り込みます。

 

実際に制作に役立つのはどの程度?

以下は先ほど残った50%について公式からの引用です。

色の表示…色の分類と三属性、PCCS、言葉による色表示

色彩心理…色の心理的効果、色の視覚効果、色の知覚的効果

色彩調和…配色の基本的な考え方、色相から配色を考える、トーンから配色を考える、配色の基本的な技法、配色演習の解答例と解説

色彩効果…色彩と構成

慣用色名

この中でどの部分がデザイン実務に関係あるか?という話ですが、該当部分を太字にしてみました。

PCCS、色彩心理、色彩調和あたりですね。

 

でも役立つと言えるかというとそうでもないです。

 

Webデザイナー実務で色彩が関係してくるのは以下の2つの場面だと思います。

1.新規サイト制作やバナー制作などで配色を決める

新規制作で直結するかなという部分は「色彩調和です。

でも色彩検定3級では色の「組み合わせ」のみしか考えません。

デザインカンプ(モック、サイトの模型)を作る時でいうと最初に色の候補を出すくらいまでの工程(とはいえ重要な工程の一つではあるしか関連しないです。

実際に設計図のどの部分にどう色を使っていくか、実際色を当てていってどうか、というところはまったくカバーしていません。

 

ほかに「色の表示」の中にある「PCCS」は実務で配色を決める際にも関わります。

ですが、実際に制作するときはツールを使いますので、試験に受かるように詳細を覚えたからどうということはないです。

→結局実務では知識の使い方・それを使ってどう考えるかがすべてなので。つまり試験勉強で知った概念の応用力

「PCCSのカラーダイヤルとトーン概念図」
3級の受験対策としてはこの2つは超重要です。これをほぼ完璧に覚えて他をてきとうにするのが最速で受かるコツかと思います。

他に新規制作と関係する部分と言えば「色彩心理」くらいですが、

3級で問われるのは

緑(のイメージといえば?)→自然・安全・平和

みたいなレベルです…

 

まとめると3級を学ぶことで得られる新規制作につながるスキルとは、

せいぜいとんでもない配色はしなくなる程度だと思います。

私の場合は実際に何の根拠もなく色を適当に選んだり、組み合わせがめちゃくちゃだったので3級の基礎知識は学べてよかったです。
繰り返しになりますが、実務では知っているだけではほとんど役に立ちません。
でも基礎の概念すら知らないと原則から外してしまったり、学びが遅くなります。
その意味では個人的に今後の成長を考えて受けておいてよかったです。

ただしこれからWebデザイナーになりたいっていう人に対してでしたら
色彩検定の勉強は優先順位は高くないと思う、っていうのが私見です。

 

2.サイトや写真のこの部分をこう見せるように変更したい、などの問題解決

実務で色彩検定が関係あるかなというもう一つの場面は、ビジュアル面の調整・更新などデザインによる問題解決です。

例えば写真の「この部分をもっと目立たせたい」といった場合に、

「彩度や明度で差をつけてみよう」などというように基礎知識が役立つことがあります。

ですが、3級はそういった色の三属性などの「概念」程度です。

実際にどういった問題解決法があるか、また具体的なテクニックなどはでてきません。

私は「目立たせる」と言えば「濃くする」しか思い浮かばないくらいのデザインセンスゼロの人でしたので3級でも役に立っています。
そもそも「彩度」「明度」自体意識していなかったですし、それを変化させて効果を生み出すという概念自体がなかったので。

また制作では、「色彩」以外の要素、例えば「余白」「フォント」なども総合的に考えて答えを出す必要があります。

 

こうやってみていくとWebデザイナーと色彩検定3級の関連度は高いわけではありません。

個人的に、全範囲のうち関連があったのは体感的に4割程度かなというところです。

 

 

ただそもそも検定の目的を考えたら3級を役に立つかっていう基準で見てはいけないのですが…

3級はそもそも実務的な活用が想定されてない

色彩検定協会公式HPによるとそれぞれの検定の目標は以下です。

色彩検定協会/カラーコーディネーター
色彩検定とは色に関する幅広い知識や技能を問う検定試験です。1994年には文部省の認定をうけ、名称も「文部省認定ファッションコーディネート色彩能力検定」と変更して現在に至っています。

3級…色の世界への入り口〜色彩の理論や法則を基礎から学ぶ〜

2級…色を仕事に活かす〜仕事に応用できる各種技法まで学ぶ〜

1級…色彩のスペシャリストへ〜色彩を提案する力を身につける〜

思いっきり2級から「仕事に活かす」ってなっています。3級は色彩の基礎。

 

2級、1級と進むにつれ、実務に落とし込む力(演習や事例)も問われるようになっているようです。が、ファッションなど無関係な部分が多いというのは変わらないようですね。他の業界の色彩からも学べることはもちろんありますが検定合格を目指すのはたぶんコスパ悪い…

むしろWebディレクターやWebの営業で役立つかも

学んでいて思ったのはむしろ打ち合わせなどを行なう立場の人の基礎知識として役立つかなということです。

お客さんとの共通言語や説得力(はったり?)という意味で。

 

例えば、3級の範囲に「慣用色名」があります。

慣用色名というのは、赤系統を例にすると「サーモンピンク」「茜色」などの呼び方のことです。

これを知っていても制作では役には立ちませんが、お客さんとの打ち合わせで例えばイメージカラーを言われたときに知らないと信用が落ちるかもしれません。

 

またここがどうしてこういうデザインなのか、みたいな話をするときに

「ここの彩度が…で、トーンが…」みたいな言い方をすると妙な説得力を出せるのでいいかもしれないですw

社内でのデザイン関係者同士のコミュニケーションもスムーズにできそうです。

 

基礎知識にあまりにも自信がない人には3級はおすすめ

ここまで書いてきたようにWebデザイナーに色彩検定はそれほど必要ないと思います。

ですがあまりにも色の意識が低かったり基礎知識がない人には逆におすすめです。

 

私はなんの根拠もなく色を選んだり、彩度ってなんやねん?という状態でスタートしたので。

逆に3級レベルの概念も全く知らずに、今までどうやっていたんだ…という感じです。

今ちょうど新規案件に取り組んでいますが、

配色で真剣に悩むようになった、ということが受験の成果です。

特に直接的に役に立ってはいない(笑)、が今後の成長につながりそうな予感はあるって感じですね。

 

会社の方針により、これから2級→1級(UC級)と受けていくと思いますので、また勉強次第記事にしたいと思います。

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